SEOとは知らないでいました!

ランサーになりたての頃のことです。SEOという言葉さえ知りませんでした。2ヶ月くらいであっという間に認定ランサーになり、ゴールドの勲章が嬉しくてたまりませんでした。発注者についても、個人も法人も見分けがつかず、ただ「面白そう!」と思うものを選びそれがまた次々直接依頼できて、評価もオール5、まだこの時はこの世界の厳しさを全く知らずにいました。

その頃の直接依頼の1つが、今にして思えば最初のSEO案件でした。エマツールという機器を使い、KWの入れ方次第で点数が変わるものです。あっという間に目標の65点を超え74点になった時点で、一度確認してもらおうと、クライアントにお願いしました。そして帰ってきた原稿を見てビックリ、さっきまで合格点をはるかにしのぐ点数だったものが、61点(不合格点)になっていたのです。

私はまだランサーになりたてでしたから、普通に他人の原稿に無断で手を入れることがどれだけの罪に当たるか考えて怒髪天を突きました。

私は大学教授・研究者を長らくやっていましたので、原稿の取り扱いに対する不文律をそのままランサーズに持ち込んでいたわけです。人の原稿に無断で手を入れる行為は許されざるもの、大学や研究所であれば、重い時は懲戒免職になる行為です。

私の原稿の数値が激しく落ちていた理由は、アシスタントの女性が自分の判断で、不要と思ったところをバッサリ切っていたからでした。そこにはKWや共起語がびっしり入り、論理的にも文章として成立していました。

私は上長を呼び出し、全て説明し、無くなってしまった原稿はもうどうしようもないので、今からまた70点以上に上げてみせるから、今度は修正する時は私の確認を取るように言いました。今から思えば、大学のルールをクライアントに納得させたようなもので、その時の上席が立派な人でなければ、もっと複雑なことになり、既にランサーを辞めていたかもしれません。

あれからずいぶん経ち、時に理不尽な扱いにも耐え、私もすっかりランサーらしくなりました。振り返れば、あの立派な上長のおかげで今がある、と感謝の気持ちでいっぱいです。

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